SONE mgzn
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かつてGALLHAMMERとしてバンドメンバーであり、現在はそれぞれにエレクトロニックミュージックを探求している2者によるコラボアルバム。
----ふとした瞬間にGALLHAMMERの不在を再認識し、喪失感に苛まれるのは筆者だけではないはずだ。瞬間の訪れる頻度が日に日に間隔を狭め、“今こそGALLHAMMERが必要だ”というアドヴェンティストにも似た願いとなってゆくのは、時代の要請に助勢されているからだ。看板がアイロニカルに響くほど、女性であるという事実以上に活動や音楽そのものの強度が先行し(いたって当然ではあるのだが)、ましてや国内外問わず大半を男性が占めるステージにあって、いたってナチュラルに現場をロックする様は、姫だとか嬢だとかみたいな気持ち悪さとは無縁で、頼もしさしかなかった。みんなの憧れPeaceville Recordsとのディールにだって誰もが驚いた。ガレージィなドゥームパンクからスタートし、軸を傾けないままラスト作でユニークなブラッケンド・ポストパンクにまで昇華する軌跡を目の当たりにすれば、希望を持たないほうがおかしいんだ。それから数年。それぞれの道を歩み始めた槌たちが再臨する。12,000年を経てタカヤノリコが帰還するような気分だ。オカエリナサイ。
GALLHAMMERの最終形態となったデュオは現在、それぞれステージネームをViviankrist、Risaripaと改めている。変化したのは名前や環境だけではない。両名が演奏するのはシンセサイザーだ。BEHERITとテクノの関係や、Plastikmanのタトゥを入れたFenris氏(DARKTHRONE)がハウスのDJとしても活躍している事実を挙げなくとも、そこに違和感を求めるのは今やナンセンスだろう。2017年末に行われた共演にGALLHAMMERを見出すは難しくはなかったし、実際2人が、2人だけの表現のためにエレクトロニクスを使い倒しているのは本作を1周聴けば理解できるだろう。初期SPKやNOCTURNAL EMISSIONSを思わせるノイズ・インダストリアルと、L.I.E.S.以降のロウハウス / テクノを横断するかの如き内容だが、そこにはSleepingBeautyやギ酸でも活躍するRisaの洗練された良質なスカム感(決して矛盾ではない)や、CONGENITAL HELLや肉奴隷でも鳴らしたVivianならではのノイズ感覚やインプロ特性が躍動していて、嬉しくなる。Vivianが手がけるカヴァーアートやタイトルからも伝わるように、ダークウェイヴとは全く異なるユーモア(個人的にはSENSELESS APOCALYPSEに通じるものを感じる)だって忘れてはいない。2人は変わらず、今やりたい音楽を、今やりたいように作り続けているのだ。CROSSBRED~SYNTH SISTERSやCARRE、テンテンコなどのファンも聴いてみてほしいなあ。(TEXT:久保田千史)
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